受験コラム

新しい学習指導要領について

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新学習指導要領の特徴

中学校で新しい学習指導要領が2021年度から実施されます。英語に関しては都内にある一部の私立一貫校でみられた小・中・高での一貫した外国語教育が行われます。取り扱う内容も文法・読解重視から将来的に「聞く」「読む」「話す」「話す」「書く」ことの4技能5領域を育てて、実際のコミュニケーションにつなげる実践力を重視しているのが特徴です。

現在の英語教育

既に大学受験では共通試験でリスニングの点数の比重を上げており単なる暗記力では通じない教科になりつつあります。都立中学でも現在はこのような動きがあります。

東京都中学校英語スピーキングテスト事業について|東京都教育委員会ホームページ (tokyo.lg.jp)

とはいえ、暗記から解放されるわけではなく覚えるべき単語数は増加して、習う文法事項も増加します。

新しい英語教育に対する不安点

また、当塾の生徒を見ていて特に不安なのが「話す」技能です。ある事柄について会話を出来るようにすることが目的ですが、英語で話すことが恥ずかしい生徒や英語が苦手な生徒は特に苦戦することが予想されます。ここでいう会話とは暗記した文章を読み上げるものではありませんが英作文と同じく例文暗記が得意不得意を分けると思われます。

文部科学省は、英語で授業を行ったり、ネイティブ・スピーカーをつけるなどの工夫を行うそうですが、学習意欲がない生徒や英語が苦手な生徒は置いてけぼりになる恐れがあるためそれよりも具体的な学習方法を提示してほしいものです。

また、日本では普段の生活で英語に触れる機会は多くないため日々の学習が必要なリスニングやスピーキングはこの程度の学習時間ではつきにくいと思います。英語圏の文化に興味を持たせるような指導ができれば生徒は進んで英語に触れるようになるのではないでしょうか。

また、都立入試では内申点が重要である以上、しっかりとした基準で先生が評価できるのかも疑問です。既に学校による評価のばらつきも感じており、英語に限らず内申点を入試に活用する以上はより客観的な評価が必要であると思われます。

国語へ与える影響

塾で生徒を教えていて思うのですが、最近は英語を小学生のうちから話せたり読めたりする生徒が増える一方、漢字を書く事が得意な生徒は減っているように思えます。こう書くと古い人間だと言われそうですが、社会に出れば英語よりも日本語を使う機会の方が日本では当然多いはずなのでそちらも十分なサポートを文科省にはお願いしたいと思います。

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太田 恭宏
太田 恭宏
青学ゼミナール代表
青学ゼミナールの代表です。暇なときに記事を書いています。記事を更新したときはTwitterで告知しているので気になる方はご登録してください。
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